2020年10月17日
青森県十和田市
湯ノ台
田代平ベースを引き払った。俺には飛べないことが分かった。そして八甲田の南に位置する湯ノ台にベースを確保することに決めた。八甲田は目の前。風は正直にでる。ドーンとかまえて八甲田と勝負することに決めた。と、決めてはみたものの、まだ湯ノ岱ベースが使えるか分からない。所有者に断られるかもしれない。この瞬間の心境はいつもとてもブルーなのである。飛び手にとってベースが無いというのはオフィスというのかな、現場がないようなものだ。でも、湯ノ台からならば願うフライトが出来るかもしれない。今はその思いだけが頼り! あとは人との出会いだ。どう転ぶかは交渉次第。ひげを剃り、鼻毛をととのえ湯ノ台へ向かう。
湯ノ台には八甲田のふもと広大な牧場が広がり、その一角に乗馬クラブの「ホースレジャー in 八甲田(HLD)」がある。どちらにお願いしようかと一瞬考えたが、直感で乗馬クラブへと向かった。緊張するが、これもまたヤルベキ事の一つだと飲み込み事務所をノック。すると女性の乗馬スタッフの棟方さんがとても親身に話を聞いて下さり、話はポンポンポンと進む。そしてベースの使用許可をゲット。「ウッシャー!」と俺。ベースはアスファルトの駐車場。万が一、車が止まってても周辺の牧草地へ降りればいい。「最高のロケーションだぜ! テーテッテレ~!」。 僕は雄叫びを上げながら走り白熊へ走り戻ったのであった。
夕刻「ホースレジャー in 八甲田」のボスの古館さんが僕の元へやってきた。僕は離陸場の提供のお礼を述べようとすと「八甲田の宣伝をしてくれてありがとう!」と古館さん。僕は一瞬、かえす言葉に詰まってしまった。「なんということか……、人によってはこのように反応するのか……」。古館さんは多胡の活動案内のチラシをみて、Youtubeやwebsiteをチェックしてくれたようだった。
俺は今まで、散々テレビやCMの空撮をやってきた。自然遺産や観光地、絶景とよばれる空間を沢山撮ってきた。そしてその成果物が協力者のバックップのもと大々的に露出して、地域がわき上がる瞬間を何度も経験してきた。しかし、いまの俺はどうだ。徒手空拳、自己資金で一人で飛んで撮って、しこしこと編集して、Youtubeにアップして、活動案内のチラシをまいてのハイパー自転車操業だ。家族も居て、いい年してんのにさ。でも、これが「ありたい自分」へ近づく一歩。そして「この道を詰めていくことが俺の人生の課題なのだ」と信じやっている(ちょっと格好つけすぎだな!)。平たく言ったら「新たに自分で設定した次の山を登っているのだ!」。そんな俺に対して古館さんの言葉は、ただただ、嬉しかった。
好きな言葉がある(親父が教えてくれたものだ)
本気ですれば、大抵のことが出来る
本気ですれば、何でもおもしろい
本気でしていると、誰かがたすけてくれる
「おおおおお~、八甲田。撮れる気がしてきたぜ!!! HLDのみんなありがとう!」
Have a nice day !!!
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