「命を賭けてでも守りたいものは何なんだ!?」
半ば怒りながら彼に聞いた。
「家族」と即答する事はないだろうとは思ってはいたものの、
それが現実となって沈黙が続いた時は、さすがに悲しくなった。
本当に追い詰められた時に見せるヒドイ顔と沈黙。
そしてボソリと言った。
「両方だよ。家族とロマン。」
本当は「ロマンと家族」と言いたかったはずだ。
せめてもの「配慮のようなもの」を感じてもう少しで笑うところだった。
答えは最初から分かっていた。
どちらが先かはどうでもよくて、
「ロマン」と対等な所に「家族」が本当に位置しているのかを、
えぐってやりたかったのだ。
取って付けた様な「家族」という言葉だったけど、
「取って付けた配慮のようなもの」は私の胸にじわりと刺さった。
そうか、このオトコから、
ロマンを奪うのは最大のタブーなのだ。
ロマンを追い求められない人生なんて、
彼にとってみれば、死刑宣告されたも同然なのだ。
決して家族をないがしろにしているわけではない。
彼の中では、デフォルトで家族がある。
家族は守って当然な上に、ロマンがあるのだ。
ただし、今の状況。
家族とは、容赦のない現実を指す。
現実vsロマンという具合だ。
多くの人は、ここで「折り合い」というものをつける。
というより、「つけられる」
しかし、このオトコの辞書の「折り合い」の部分は
こう上書きされているはずだ。
【どちらも大事・ゆずらない事】
ロマンを求めて家族を守れない。
世の中ではコレを甲斐性無しと言うのだろうか。
家族のためにロマンを捨てる。
これが美しいオトコの生き方なのだろうか。
私にとってみれば、
どちらもかっこ悪い。
ロマンを追い求めながら、家族も守る。
これが私にとってのオトコだ。
ここまできて、ハタと気づいた。
彼の辞書を上書きしたのは私か!?
彼をえぐろうと思って向けた刃が、いつの間にか、
私の喉元に向いていた。
ならば・・・・
ロマンを全面バックアップしようではないか。
そうすることで家族は守られる!
ハズだ・・・理論上・・・
そう。彼とは私のダンナだ。
「めっちゃオモロイ家族を作る」
数年前、突然舞い降りてきた言葉。
わが家がまだチグハグしていた頃、
今私がやるべきは、
この共同体を「めっちゃオモロイ家族」にする事なのだと気づいた。
私にとっての「オモロイ」の定義は、
【個性をぶっ放している状態】
要するに、自分の魂の望み通り生きているかどうか。
それをお互いに喜び合える。
それが私の家族のあるべき姿なのだ。
視野が広すぎて、目の前の一本の木が見えない。
昔はそれを「はぁ!? なんでやねん!」と思っていた。
だけど、一本の木の細部を観察している私には見えていない、
その木を取り巻く世界を知っている。
それがダンナだ。
風に乗り、風のようにに流れ、
その目であらゆるモノを収集し、
また風のように帰って来る。
それを私達に伝えてくれる。
私の知らない世界を。
「困ったことがあったらな、風に向かってオレの名を呼べ」
と、フーテンのとらさんの名言を言い残して、
また旅に出るのだ。
オモロ過ぎる!!!
かくして、ロマンで家族を守る挑戦が始まったのだ。
たごてるよしwebsite
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以上は我が嫁からの檄文である。すでに、彼女のFBで公開されている記事だ。その結果、私は公開処刑な状況にて、隠しても今更なのでここに載せることにした。でも読み返してみると「結構文章上手いじゃん」って、リアル多胡家!
嫁のwebsite 「出産祝いの木のおもちゃ」つくってます!
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