(写真 高度2400mから八甲田山をのぞむ。背後には陸奥湾が見える。切り開かれた森が湯ノ代ベース)
2020年10月18日
青森県十和田市
湯ノ台
離陸7:00 着陸8:32 飛行時間92分
風 西0m/s~15m/s
高度2300m
湯ノ台ベースからの離陸、一発目。飛び上がるやいなやパラの挙動がおかしい。このイナヤってのは高度30mから100mぐらい。離陸してバーンと一回目の旋回を入れる高度ってことね。これはベースでは感じることのなかった風の本流を受け止めていることを意味している。ベースはほぼ無風だったのにね。挙動がおかしくなる理由。それは本流が地面の凹凸を乗り越えてくるので、風が波打つように乱れているのだ。今回は八甲田の山と谷の起伏を乗りこえてきた風が乱れを発生させていた。高度を上げればそれから逃れることができる。で、500メートルまで上昇するとパラの揺れは収まった。が、風はますます強くなりジリジリとパラはバックをし始めた。
パラグライダーは風に弱い乗り物だ。正直に言う。風がない状況だと俺のパラだと時速40キロで飛ぶ。秒速に換算すると10m/s。飛んでいるときに10m/sの向かい風が吹くとパラは上空で止まる。ヘリコプターのフォバーリング状態と同じだ。その風が20m/sになると、時速40キロでバックすることになる。面白いね! 逆も言える。10m/sの追い風を受けると、時速80キロでカットブことができる。イェイ! 上空ではその時の風をよみ、飛んでいける方向を探り、あとは燃費を考え飛んでいる。
で、本日。せっかく八甲田の麓から飛んで、その核心へとの期待がふくらんだが全く山へは近づけない。35キロはなれた前田牧場から飛んだときの方がむしろ八甲田には近づけたという始末。で~も、俺はやるぜ。この状況でできること! 高度をグングンと上げて2300m。足下は奥入瀬町の街中だ。随分と吹き飛ばされているが、まあいいや! みんな仲間だ、問題ない。大旋回すると八甲田山の奥には陸奥湾が見えた。そして時計回りで旋回すると、三沢、八戸、鹿角、十和田湖、岩木山、そして八甲田が見えた。八甲田の背景をみたぜ! やった!
帰りしなは、シブかったわ。燃料は16リットルのフル満タンで飛んでいる。4時間弱は飛んでいられるんだけど、全然前に進まない。むしろ、足下には新しい景色が見えてくるのだ。これもまたパラならではでゴメン。足の下に次々と新しい景色が見えてくる状況ってのはバックしてるんだわ、これが……。
高度2300mから500mに落とすとパラは前に進み始めた。その高度は湯ノ台ベースに生える木々と同じ高さだ。そしてベースの吹き流しをみると、テレーンと脱力状態の完全無風。やんなっちゃうよね、ホンマニ。「ま、八甲田の風を舐めたらアカンゼヨ」てことだわな。こんな日もあるよ、次に期待!
Have a nice day !!!
【ホースレジャーin八甲田】
八甲田山の撮影行で離発着場のご提供、ご協力をしてくださった「ホースレジャーin八甲田」さんのwebsiteです。
八甲田山のふもと、ブナの森を馬と行く。BBQもできます。周辺には温泉もあり。大自然を満喫しつつ、またとない時間を八甲田の懐で体感、どうぞ!!!
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